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自律神経失調症と漢方

体調が優れずに病院を受診すると「自律神経失調症ですね」と言われたことがある人は多いのではないでしょうか。

当店でも「私、自律神経が悪いんです」と言って、ご来店くださる人が少なくありません。

今回は、そもそも自律神経って何なのか…ということから書かせていただきます。

運動神経が良いとか悪いとか話題になることがありますが、運動神経というのは脳や脊髄からの指令によって筋肉を動かすための神経ですから、自分自身の意志で体を動かすことに深く関わる神経です。

一方で自律神経は、その名のとおり「自ら」が体の働きを「律する」神経です。

どういうことかと言いますと、まばたきを10秒間しないでくださいと言われたら、多くの人が、10秒間まばたきを我慢できるでしょう。

しかし、心臓を10秒間止めてくださいと言われても出来る人はいません。

ドクターXの大門未知子さんのような外科医であれば、術中に心臓を一時的に止めることもあるでしょうが、これも自分の意志で自分の心臓を止めている訳はありませんね。

心臓は自律神経によって調節されており、自分の意志とは関係なく自動的に働いているということです。

自律神経は、呼吸・循環・消化・生殖・排泄など生命維持に必要な機能を調節してます。 

この自律神経が乱れた場合には、自律神経失調症として様々な症状が現れますが、実は確立した疾患概念や診断基準がありません。

自律神経失調症は、一般的な疾患概念に当てはまらない不定愁訴がある場合に多用されます。

自律神経失調症と似ている症状に、うつ病がありますが、うつ病は脳内の神経伝達物質の乱れの影響が大きいため区別されます。

自律神経は、内臓の働き、代謝、体温などの様々な機能を調節していますので、これが乱れますと、当然ながら様々な症状を感じるようになってきます。

頭痛・耳鳴り・眼精疲労・どうき・息切れ・手足のしびれや痛み・胃の不快感や吐き気・下痢・便秘・肩こり・筋肉の痛み・生理不順…など、ざっと挙げただけでもこんなにたくさんの症状があります。

そのほかにも全身症状として、めまい・微熱が続く・倦怠感・疲れやすい・フラフラして力が入らない・ほてり・食欲がない・睡眠障害・起床時の不調…などもあります。

精神的な症状としては、イライラ・不安感・恐怖心・記憶力や集中力の低下・やる気が出ない・悲しい気持ちになる…などがあります。

こうした症状が、単独あるいは複数重なって現われます。

自律神経の乱れによる症状は、病院で検査等をしても原因を明らかにすることが難しい傾向にあり、病院で「このまましばらく様子を見ましょう」と言われる人も多いようです。

漢方は、本来の正常な体の働きに近づけていくという健康づくりをできるものであるため、自律神経の不調に関わるご相談が非常に多いです。

通院しても改善されない症状を良くしたい、病院が苦手で行きたくないといった方は、選択肢の一つに漢方を入れていただくと良いと思います。